≫ 怪談読み放題はコチラから ≪

現代に生きるゾンビから下水道に住む何かの話まで・・「恐怖実話 怪の残滓」

こんばんは。

最近記事の更新が全く追いつかず申し訳ありません。
本業の方で立て続けにトラブルに見舞われていたところに連休が重なり、すっかりこちらの方が疎かになってしまっておりました。

オカうさ
オカうさ

我々にだって少しくらい休む権利があるはずです

ただ、そんな中でもやめられないのがオカルト蒐集。

久しぶりに「これは面白い!」と感じ、思わず一気読みしてしまう作品に出会うことができたので、今日はそちらをおすすめホラーとして紹介させて頂きたいと思います。

今回ご紹介させて頂く作品は、吉田悠軌さんが書いた「恐怖実話 怪の残滓」でございます。
夏の蒸し暑い夜にゾクっとなれるおすすめの作品ですよ。

吉田悠軌とは?

吉田悠軌さんは別名オカルト研究家の異名を持つ作家で、「とうもろこしの会」という怪談サークルの会長も務められています。

最近では「channel恐怖でも度々怪談を披露されている吉田さんですが、「クレイジージャーニー」で禁足地を紹介していたことからご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。私の記憶が正しければ、後ろ向きで歩かなければいけないという怪しい禁足地を紹介されていたと思います。

怪談にはやっぱり怪談師それぞれの持ち味が出るものですが、吉田さんの語る怪談には凄くジャーナリズムを感じます。昔の「アンビリーバボー」のように内容が濃いんですよね。
ご自身も「現場にこそオカルトのお宝は存在している」と仰っているように、実際に現場に行って取材することに重きを置かれているようですよ。
「実話怪談」のジャンルにおいてこれはやっぱり重要なようで、私も足を使わなければなあと考えさせられました。

おすすめの怪談

ここでは本作に収録されている怪談の中でも、とびきりおすすめのものを紹介したいと思います。

もちろん私がザックリ紹介したものと、実際に百戦錬磨の吉田さんが書かれた怪談とでは雲泥の差がありますので、興味が湧かれた方は是非、実物を手にとってみてください。

ちなみに私は下水道の話が1番お気に入りです

ゾンビさん」

外科医の先生が体験されたという怖い話です。

「医者」と「ゾンビ」という言葉から大体の想像がつくかもしれませんが、医学的には死んでいるはずなのに何故か生きているという方が世の中にはいらっしゃるそうなんです。

もちろんそういった方はそのあとすぐに亡くなられてしまうそうなのですが、それまでは検査さえしなければまるっきりの常人であり、歩きもすれば電車にも乗れるんだそうです。
幽霊ですらみんな信じないのに、目の前を歩く人間が既に死んでいるなんて話を誰が信じるでしょうか。

怪談を読むたびに思うことですが、世の中のことなんてまだほんの少ししか解明されていないのだろうなと改めて思わせられる話でした。

「犬まるまる戦死しました」

「ワケが分からない」の一言に尽きる怪談です。

塗装会社のアルバイトをすることになったシバタくんは出来心から事務所のお金に手をつけるようになってしまいます。
言うまでもなくこれは犯罪なのですが、「根性を叩き直してやる」という名目のもと、同期のホソダくんと一緒に事務所奥の小部屋で謎の儀式に参加させられることとなってしまいます。

その儀式では「犬、まるまる戦死しました!」と叫びながら相手の頬を交互にビンタしなければいけないのです。そして「まるまる」の部分には自分の名前をいれるのだとか。
そうして始まった謎の儀式を進めるうちに身体に奇妙な変化が現れ…

というお話です。
冒頭にも書いたように全く意味が分からないよ!という怪談でした。
ですが、この未解決さ、意味不明さがまた怪談らしいといえば怪談らしいと言えます。

こんな話、あるんですね〜。

「下水道」

世にも珍しい下水道管の中の怪談です。

もちろん私たちは通常その中に入る事ができないのでイメージが湧きづらいかもしれませんが、下水道管の中なんて閉鎖的で暗闇で湿気もあり、考えてみれば如何にも何かが起こりそうな場所ですよね。

なんでも、そんな下水道管の中には人に似たモノが出るらしいのですよ。

そいつは同じ業者のフリをして、遠くから声をかけてくるらしいのです。
姿は完全に人そのもの。服も声も人間のそれで、まるで本当にそこにいる業者関係者のように見えるのだとか。
ただ2つだけ、顔だけが全く見えないということと、声をかけてはくるものの自分からは絶対に近づいてこないのだそうです。

そいつの立っているところは下水道の中でも数十メートルもの高さの崖のようになっている場所で、騙されて近づくとその穴に落ちてしまうのだとか。
もちろんそんな所に落ちたら人は死にますし、入り組んだ下水道の中ですから、死体だってまず見つからないものなのだといいます。

下水道工事をしていると、たまにそういうモノが出てくるそうです。
だから作業をする業者は、中で知らない人間に声をかけられても無視をするのだそうですよ。

山の怪談なんかではよくこういう話を聞くんですよね。遠くから「お〜い!」と話しかけてくる者がいるけど、絶対に返事をするなとか。
ただ、私たちが日頃踏みしめているアスファルトの下の世界に、そんなモノが住み着いているのかと思うとワクワクゾッとします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この本の魅力をほんの少しでもお伝えすることが出来たなら幸いです。

現在の怪談師界においては関西勢が強く、自然と怪談もそっち方面にまつわるものが多くなってしまっている気がします。羨ましいですが。

オカうさ
オカうさ

お陰で関西のイメージはとんでもないです

そんな中、著者の吉田さんはなんと東京の出身らしく、「砧公園」など私の見知った土地の話が出てきてくれて、読んでいていつもとはまた違った楽しみがありました。
ちなみに2021年8月現在、kindle unlimitedで読むことが出来ます

怪談が読み放題!オカルト好きに嬉しい定額サービス、Kindle Unlimited

2020年に出版された本だというので、Amazonさんは仕事が早いなと思いました。

それではまた。