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絶対に読んでほしい怪談書籍、名著「新耳袋」をご紹介

こんばんは。

今日はおすすめホラーとして初の書籍を紹介したいと思います。記念すべき書籍第一発目はオカルト界のホーリーバイブル、新耳袋の紹介です。

オカうさ
オカうさ

出ましたね

もしかしたら今更おすすめされるまでもないよという方も多数いらっしゃるかもしれませんが、こういったブログを運営するに当たってやっぱり「今までこの界隈に興味がなかった人にも新しく関心を持って欲しい」という思いが少なからずありますので、こうしてご紹介させて頂くことにしました。

というわけで、本日おすすめしたいホラー作品は書籍・新耳袋でございます。

2022年1月現在、新耳袋の第一、二、九、十夜が30日無料で読み放題です。

詳しくは下記の記事をご覧ください。


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新耳袋とは?

新耳袋とは作家・中村市郎木原浩勝による怪談短編集です。

書かれている怪異は全て、作家の2人が実際の体験者達に取材をして集めた内容となっており、ジャンルとしてはノンフィクションとなっております。

「新耳袋」というと何か特別な読み方があるような字の並びではありますが、そのまま「しんみみぶくろ」と読みます。名前の由来としては江戸時代に怪談話などをまとめて執筆された耳嚢(みみぶくろ)という雑話集から来ているとのことです。時代こそ違えど、やはり怪奇や不思議な事を求める人の心はいつの時代も変わらないのだなと思うとなんだか嬉しいですよね。

最近はジャニーズの亀梨和也さんが主演を務めた、松原タニシさん原作「事故物件怪談 恐い間取り」が流行っていましたが、こちらはなんと1990年に初版が発行されてます。30年以上経った今もなおこの界隈の最前線に立ち続け、ドラマ化や企画化されていたりするのを見ると、やはり根強い人気を誇る作品なんだなと思います。

また、本作はシリーズを通して全て99話で構成されているのですが、これは「怪談を100話語ると本当の怪異が起こる」とされている百物語に配慮して(読者に怪異が及ばないように)とのことです。めっちゃ粋ですね。私もこの手のものを読む時、気付かぬうちに100話を超えていたらどうなるんだろう…と思う時があるので、これなら一安心です。

おすすめポイント

ここではそんな楽しい新耳袋の魅力をお伝えしていきたいと思います。

この世界にどっぷりと浸かれる

まず新耳袋のありがたいところは全部で10巻もあるところです。
読んどけば間違いない!ような怪談99話が10冊分もあるんですよ。
つまらないハズがありません。昼も夜も無くこの世界にどっぷりと浸かることが出来ます。

一番怖いというわけではないけど何となく好きだと思う話ってありませんか?
そういう話がたくさん見つかると思います。

オカうさ
オカうさ

個人的には第三夜・第四十四話「ヘアピン」や第七夜・第二十六話「蔦」などがそれにあたります

怪談のバリエーションがすごい

上の話と被るかもしれませんが、それだけ膨大な話数です。当然、色々な話があるんですよ。

個人的には神仏の呪いや山の妖怪系の話が好物なんですが、そういったジャンルの話も収録されていますし、もちろん日常生活で起きてしまった怪異についての話もあります。今まであまり興味が無かったジャンルの新しい開拓にも繋がると思います。

何と言ってもリアル

先ほど、この本はノンフィクションが前提であると言いました。その為、中には本当に2、3行程度の短い怪談も収録されているのが特徴です。
そしてその点が非常にリアルだな、と感じます。

というのも、実際に起きる“そういうこと”ってものすごく淡白だと思うんですよ。映画や小説みたいに現象が起きた原因が分かることはほとんど無いでしょう。何故そこにソレが居たのか、目的も分からない。何をするでもなくすぐに消えた。事故物件でも無いのに…。そんな不可解な状態で終わる事の方が圧倒的に多いのでは、と私は思います。短い2、3行の文からは体験者のそんな不可解さが読み取れます。

おすすめの怪談

おすすめの話、好きな話はもちろん沢山あるのですが、ここでは私が新耳袋シリーズの中でも特に好きだと思う話をいくつかご紹介したいと思います。

まずは第三夜(三巻)に収録されている「ヘアピン」というお話。

体験者の男性が今住んでいるアパートに引っ越ししたての頃、部屋に女性のヘアピンが落ちていた。まだ女性は部屋に招き入れていないし、掃除もしていたはずなのにと疑問に思った体験者であったが、きっと前の住人のものなんだろうとそのヘアピンを捨てた。

ところがある日、またヘアピンが部屋に落ちていることがあったそうだ。前回と変わらず女性を家に入れてもいないのに女性のヘアピンが部屋に落ちている。これもまた前回と同じように捨てた。だが、こんなことがそれから何度か続いたそうだ。そしてある時、シーツの上にヘアピンがあることを発見してしまった。当然のことながら自分が入居時に外から持ち込んだシーツなので、こうなると「前の住人のもの」では済まなくなってきた。流石に体験者もこの一連の現象を奇妙に思うようになったらしい。
ある夜のこと。体験者が部屋で仕事をしていると、うしろでパタという小さな音がした。振り返ってみるがそこには何もない。が、しばらくして再びパタ、という音がする。体験者は気になって床を調べ始めた。

この話、この後も直接的な何かが出てくるわけではないのですが、すごく不気味に感じます。不釣り合いな場所に不釣り合いなものがあるという点でももちろん恐ろしいのですが、ヘアピンというのがまた絶妙ではないでしょうか。髪には古来より念が籠ると言われますし、そこから派生してなにか怨念めいたものを連想してしまいます。どうか、私の部屋にそれが落ちていないことを願うばかりです。

それではもう一話ご紹介。別の新耳袋紹介でおすすめ話として書いた「赤真似」
と似た話。第六夜に収録されている「訪問者」というお話です。

体験者家族は東村山市にあるマンションの5階の角部屋に引っ越した。引っ越して間もないある昼間、来訪者を告げるチャイムが鳴った。引っ越ししたてで訪ねてくる人の心当たりもないままドアの覗き穴を覗くと、そこには誰もいない。不審に思いつつも居間に戻ると、またチャイムが鳴る。再び覗き穴を覗いてみてもやっぱりそこには誰もいない。居間に戻ると、チャイムがまた鳴らされる。
そこで体験者は玄関横の子供部屋に入って、外の廊下に面したカーテンから外を覗ってみることにした。ドアの覗き穴からは死角になって見えない部分があっても、そこから見ればドアの前全体が見えるからだ。カーテンを少し開けてドアの前を覗いてみると、そこには人の形をした全身真っ赤なものが立っていた…。

こちらの話は先ほどと違い、あまりにも直接的なものが出てきて死ぬほど恐ろしいですね。しかも、最悪なことにこの話には後日談が用意されており、「赤童」というタイトルにて第七夜に収録されています。
なぜこんなことが起きるのか、その家だけにコレは訪れるのか、万が一扉を開けてしまったらどうなってしまうのか。それらは一切分かりません。
そして、そういう話がいくつも収録されているのがこの新耳袋です。

まとめ

いかがでしたでしょうか、新耳袋。
書いてるとついつい読み返したくなってきてしまいました。この世界に入りたての人も、元々興味があったけどたまたま読みそびれていた人も、是非とも一度読んでみてください。

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著者の1人である中山市郎さんは今でも現役で怪談をやっており、しょっちゅうイベントを開いたり、ゲストで呼ばれたりもしています。私もダークナイトという怪談トークライブに何度か参加したことがあるのですが、最高のトークショーでした。

オカうさ
オカうさ

最近はオンラインでの配信ライブもやってくれてますね


作家とともに最高の怪談師の1人でもありますので、是非ともチェックしてみてください。