こんばんは。
私は当然のことながらオカルトや超常現象には肯定的な立場ですが、なんでもかんでもそれを心霊現象と結びつけてしまうのはやっぱり良くないと考えています。
そういった心の隙につけ込んで金銭的な利益を得ようとする不貞の輩もいますし、たまに「明らかに違うもの」にでさえ無理やりに心霊とこじつける方を見ると、いくら私といえどウンザリしてしまうことがあります。

先祖供養に全てを左右されたら堪ったもんじゃありません
まあその逆も然りで、怪奇現象を全然納得いかない説明で片付けられてしまっても腹が立つわけですが、要は、どちらかに振りすぎず物事は常にフラットな視点で見ることが大事なのではないかなと思います。
というわけで、今日はそんな視点から物事を見極めるための判断材料としてあえて「心霊現象と錯覚してしまうような現象」を紹介したいと思います。

世の中には説明がつかない不思議な現象が確かに沢山ある、だけれども脳の錯覚や見間違いで済むような問題もそれと同じくらい沢山存在しているのです。
それでは行っていきましょう。
シミュラクラ現象
まずはシミュラクラ現象を紹介させてください。有名な現象なのできっとご存知の方も多いかもしれません。
これは、点が3つ並ぶと脳はそれを人の顔だと認知してしまう、という不思議な現象ですね。んなアホな、と思う方ちょっと待ってください。この画像をご覧ください。

いかがでしょうか。
建ち並ぶ家屋の壁上部にある2つの穴が目、下の入口らしき四角が口に見えて、全体として顔に見えませんか?目と口が揃ってまるでキャラクターのどーもくんのように見えます。
確かにこれは例がショボかったかもしれません。だから何だよと思う方もいるでしょう。ではこちらはどうでしょうか。

まるで樹木が悶絶しているかのように見えますよね。
もちろんこれらだけでも一瞬ギョッとして二度見してしまうことだとは思うのですが、例えばこれが深夜の心霊スポットの中で見た壁のシミだったらどうでしょうか?
壁一面に広がる大きな顔に見えりするのではないでしょうか。
そういう場所でなんとなく人の顔に見える…見つめられている感じがする…そんな風に思った時はこのシミュラクラ現象を一度疑ってみてください。
案外その正体は、この程度のものなのかもしれません。
パレイドリア現象
このパレイドリア現象が心霊現象においては非常に曲者です。
シミュラクラ現象と少し似ているのですが、こちらには3つの点が必要ありません。
パレイドリア現象とは、本当は何の意味も持たない模様や形などに対して、知っている意味を当てはめてしまうことを言います。
要は、錯覚で何となくそれが人の顔に見えたりするというわけです。
早速例を見ていきましょう。

どうでしょう。
いかにもテレビの心霊特集で仰々しい格好をした「霊能者」のおばさんが大騒ぎしそうな画像ではないでしょうか。
確かにそうは見えるんですよ。
一見、滝壺に落ちて亡くなった無念を抱える亡者が写真に写り込んでしまったようにも思えてしまいます。
だけれどもじゃあ、これがお前には水の流れでたまたまそう見えるのだとは思わないのかと言われれば否定はできない…
具体的にどこを見て人の顔だと確信したんだと聞かれると、イマイチ胸を張って答えられない…
そんな光景がパレイドリア現象です。
ところで「ミッケ!」という私の好きな絵本があるのですが、皆さんご存知でしょうか。
簡単に説明すると、ページの中に文章と絵が書かれており、その絵の中から文章が指しているものを探すというなんとも可愛い絵本です。
「ウォーリーをさがせ!」をイメージしてもらえば問題ないです。
この「ミッケ!」、お題を必死に探すんですが中々見つからないんですよ。
「猫の顔」なんてお題で原っぱや、物陰を必死に探すも見つかりません。
猫の顔なんて無いじゃんーなんて思ってふと見ると、木の枝と葉っぱが生い茂っていて確かにその形が猫の顔になっているなんてことが多々あるんです。
これはこのパレイドリア現象を利用した仕掛けなわけですね。
「ミッケ!」は子ども向けの絵本なのでこんな可愛い話で済んでいますが、例えばそれが廃墟で、夜の山中で、トンネルの中で見えた時、果たして「猫の顔」で済むのでしょうか?
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ガンツフェルト効果
それを言っちゃ元も子もないよ、と言う気もしますが、ガンツフェルト効果をご紹介します。
これは薬物を使用せずに幻覚、幻聴を体験する方法なんだそうです。
本記事はガンツフェルト効果を体験するための記事ではないのでそのやり方については省きますが(調べればすぐに出てきます)、簡単に説明すると、アイマスクなどでを装着した上でノイズキャンセリングイヤホンからホワイトノイズを流して聴覚も完璧に奪うと、幻覚や幻聴が聴こえてくるのだそうです。
体験者の中には、色とりどりの動物が見えたり、仏像を見えた人までいるのだとか。
そんなことが果たしてあるのかと思いますが、驚くことに、視覚と聴覚に変化が無い状態が続くと脳は勝手にそこから映像や音を作り出してしまうのだそうです。
ホワイトノイズに完璧に雑音を奪う為のノイズキャンセリングイヤホンなど、準備に手間がかかるくらいですから、もちろん普通に暮らしていて自然にそれが再現されしまうことはまあ無いでしょう。
ただ、ここで言いたいことは条件さえキチンと揃ってしまえばこうも簡単に人の脳は幻覚を作り出してしまうのだということです。
その場の雰囲気
これは心理学的な話とは少し違うのですが、私の実体験者を踏まえてのお話。
昔、とある怪談トークライブを観覧しに行ったことがありました。
その場に何人のお客さんがいたかは正確にはわかりませんが、所狭しと並べられたパイプ椅子全部にお客さんが座っていて、それはもう大盛況でした。

トークライブは順調に進み、段々と会場は怪しい雰囲気に包まれていきます。私は段々とそんな雰囲気に飲まれていき、「ああ、こういう時にこそなんか起きてくれないかなあ」なんて考えていました。
するとその時、私からごくごく近い位置に座っていたお客さんがしゃっくりをしました。
生理現象なのでもちろん仕方がないとは思うのですが、トークを邪魔しまいとギリギリまで我慢していたのか、押し殺した声が漏れ出たような少し奇妙なしゃっくりでした。
すると、そこかしこで後ろを振り返ったり、周りを見渡す人が出てきました。次第に「今のなに?」「私も聞こえた」「こっちも聞こえた」という声が上がってきて、会場はちょっとした騒ぎに。
最終的には壇上に上がっていた怪談師までもが、「今、女の霊が来たようですね」というようなことを言い始め、会場は大盛り上がり。
そして、遂にはしゃっくりの音が不気味な女の声に変換されて怪奇現象にすり替わってしまったのです。
恐らく多くの人の頭には「怪談トークライブに行ったら不気味な女の声がした」という鮮烈な記憶が残ったことでしょう。
私はこの時まさに、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の言葉が頭に浮かびました。
私が思うに、恐らくこのしゃっくりを聞いたのが別の場所だったら、誰もこれを特別視することはなかったんじゃないかと思うんですよ。
確かに普通のしゃっくりとは違う少し奇妙な音ではあったものの、「誰かのしゃっくりかもしれない」という選択肢は頭の中に残ったかもしれませんし、あるいは「なんか変な音がしたな」くらいで済んだかもしれません。
しかしそこは怪談トークライブの会場。きっと私と同じように誰もが「何か起こるかもしれない」、もっと言うなら「何か起きて欲しい」くらい心のどこかで思っていたのではないでしょうか?
恐らくその怪談師の方も悪意があって言ったわけではないのでしょう。
しかし、「女の声」なんて断定的なことを言う人がいなければ、状況はまた変わったかもしれません。
怪談師含めそこにいた全員が、その場の雰囲気に飲まれてしまったわけですね。
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考察
私がこれらの現象の中で最も興味深かったのはガンツフェルト効果です。
そんなに手軽に、身近なところでそんな体験が起こり得るのかと驚いてしまいました。
ガンツフェルト効果は脳の機能のバグのような話でしたが、日常生活においてそんなバグが起こることなんてあるのでしょうか?
ここでは私の考えを「瞑想」を絡めて考えていきます。
瞑想で「仏の声」を聞いた人
皆さん、瞑想はご存知ですよね。
もしかしたらこれをお読みの方の中にも取り組まれている方がいらっしゃるかもしれません。
瞑想というと近年マインドフルネスなんていい、一般人でもルーティンに取り入れたりしてわりかし身近なものになってきました。
アップル社のスティーブ・ジョブズが実践していたとかいないとかで、ストレスの解消や頭の中をスッキリとさせるのに良いのそうです。

しかしそんな瞑想ですが、どこで聞いたか、瞑想を続けて悟りを開かんと修行をする者に訪れる最初の試練がこういった幻なんだという話を昔聞いたことがあります。
というのも、修行を続けていると様々なモノが見えたり聞こえたりするようになることがあるのだそうです。
それは異形のモノだったり光り輝くものだったりするそうですが、その中には「仏の声」が聞こえてしまい、自分は悟ったのだと勘違いし、よく分からない信仰宗教を開いてしまう者までいるのだとか。
そしてそんなものに惑わされてる内はまだまだ半端者であって、修行が足りないよってことですね。
外因が脳の機能に影響を及ぼすことがある
瞑想なんて目をつぶってるだけでそんなことになるわけないじゃんという方、お待ちください。
瞑想を追求したチベット修行者程になるとその域をはるかに超越するんですよ。

というのも最近の研究で、瞑想修行を繰り返し行ってきたチベット修行者の脳波はその活動量がとてつもなく高いことが明らかになりました。
更にはなんと、瞑想が脳の形状にまで変化を及ぼし、思考や創造性を担う前頭前野の皮質が厚くなる現象まで確認出来たのだそうです。
確かにこの話は極端かもしれません。
なにしろ脳波がアップし前頭前野の皮質まで厚くするくらいの瞑想です。生半可なはずがありません。
しかし言ってみれば、これはある種の活動や外因が脳に影響を及ぼすことが出来るのだという証拠に他ならないのではないでしょうか。
例えば雪山で遭難した時、極度の飢餓状態にある時、幻覚が見えることがあると聞きます。
そう言った普段とは違う究極の状況下、例えば究極の恐怖下にある時などに、脳が何かを見せてしまうことは大いにあり得るのではないかと私は思います。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ダラダラと長くなってしまいましたが、こうは言っても私は心霊現象の正体全てが科学的に片づけられるとは思っていません。
科学的にそういう現象があることは証明されていませんが、同じように無いことも証明されていないわけですからね。

よ、日本一
ちなみに、全然関係もなくオカルトですらないのですが、脳の機能を超越するという意味では映画「リミットレス」がとってもおすすめです。
この映画は薬を使って脳の機能を最大限に引き出した男が、まるで超人のような学習能力、記憶力、能力を持ち始めるという内容でした。
そんな素晴らしい薬は残念ながらまだありませんが、もしかしたら実世界でもそういう脳の機能を普通よりも上手く使える人間が、そう言ったものを見たりすることが出来るのかもしれません。
オカルトの鍵は脳にあるのかもしれませんね。
それではまた。
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