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大晦日の夜、「福の神」はあなたの家にもやって来るかもしれない

こんばんは。
いよいよ新年待ったなし、今年も残すところあと数十時間となってしまいました。

早速ですが、今回の議題は「福の神」についてです。「蛇塚」だの「一陽来復」だのこいつ最近金ばっかじゃねえか、そんなに金運が欲しいのか!というお叱りを受けそうですが、ちょっと待ってください。

オカうさ
オカうさ

欲しいですよ

【一陽来復】遂に人生逆転か!?金運UPのお守りを頂いてきたので、貼り方やその効果を解説 「どんなに悪い運でも良くなる」と豪語される「蛇塚」へ行って参りました

確かに金運に関しては喉から手が出るほど欲しいのですが、今回の話は大晦日のこの時期じゃないと出来ないお話を絡めて紹介したいんですよ。

ですので今回も幽霊も妖怪も出てこない、怖くない話となってしまうのですが、何卒お付き合いくださいまし。

福の神とは

福の神とは人々に幸福や利益を授けてくれる存在のことです。有名なところではやっぱり七福神でしょう。

京都・蓮久寺の住職でありながらも怪談師としても知られる三木大雲は2019年頃、夢の中にそんな七福神の1人である大黒様が現れたといいます。そんな大黒様は何をしに現れたのかというと、「バラ」を買うように指示したそうです。突然「バラ」と言われても三木さんにはこれが何のことか全く分かりません。「バラ肉」や「薔薇」のことかとも考えたそうですがしっくりこず、紆余曲折を経て結局宝くじのバラを購入。

すると、なんとその宝くじが超高額当選。三木さんは1億5千万もの大金を手にしたのだそうです。

大黒様

この話は「文春オンライン」の記事で当選した宝くじの写真と共に掲載されていました。(調べたところ、その番号は確かにその回の当選番号と一致していました)

とは言え金額がとんでもないだけに、「何かのフェイク画像なのでは…?」なんて考えてしまうのが私のような貧乏人の器の小ささなのですが、とにかく言いたいのは、この話の真偽はともかく大黒天や七福神、福の神はこのように金運と絡めて語られることが多いということです。

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福の神が含まれた怪談

福の神が描かれた怪談は神仏系のジャンルの中でもとても珍しいです。神仏が怪談に出てくる話というのは大抵、祟ったり呪ったりだとか、おっかないものとして描かれがちですからね。

オカうさ
オカうさ

怪談ライブの事前アンケートで神仏系の話をリクエストすると必ずくそ恐ろしい話をされますしね

そんな中で珍しく、「怪談狩り あの子はだあれ?」には神仏のありがたい話がちゃんと収録されています。「掛け声」という話です。

体験者の家は幼い頃から生活に困窮しており、両親共に身を粉にして働く日々を送っていた。それでも生活は一向に上向くことがなく苦しい毎日であったが、そんな中でもお正月だけはきちんと準備を整え、新年をお迎えする準備を怠らなかったのだという。

ある年末のことだ。この年も体験者の両親は大晦日まで働き、お正月の準備もままならないまま一家は床に就いていた。だが体験者は何かの気配に気付き、ふと目を覚ました。男たちの掛け声が聞こえてくるのだ。

「よっ」「はっ」「よっ」「はいっ」

掛け声の合間にはぺったん、ぺったんという音も聞こえだしてきて、体験者は誰かが餅をついているのだと思ったのだそうだ。次第にその声と餅をつく音はこちらに近付いて来て、遂には一家が眠る部屋にまで入ってきた。だが、そこには誰もいない。音と声だけは確かに聞こえるのに何の姿も確認出来ないのだ。また、これだけ騒がしいのに家族の誰も起きないのが体験者には不思議でしょうがなかった。そんなことを考えていると、いきなりそれらの音はぴたりと止まった。時計を見ると日付が変わってお正月になった瞬間だったそうだ。

その年、父親が新しく始めた事業が大当たりし、体験者家族の経済状況はいきなり好転した。また、長年やっていてなんともならなかった母親と祖父の商売も上手くいきだし、体験者家族の収入は見る見るうちに増えていったのだそうだ。

そんな体験者家族とは対照的に衰退していったのが、隣にあるお金持ちの家であった。あれだけ立派だった家は次第にみすぼらしくなっていき、金に困って売りに出したのだろうか、気づけば敷地はどんどん小さくなっていった。おまけにその家の奥さんは身体の調子が悪いらしく、ひどく衰弱しているようにも見えた。あまりの没落ぶりに心配になって話を伺ってみると、ある年の大晦日の話をし始めてくれた。

また、こんな話もあります。同じく中山市郎さんが書いた「新耳袋 第九夜」の「七福神」という話です。

体験者はある年の元旦にこんな夢を見たのだという。
自宅の玄関に宝船がやって来て、玄関の前に乗り上げる夢だ。するとそこから七福神がどやどやと降りて来て、家の中に宝物を持って入ってこようとしているのが分かった。体験者は喜びながらそれを眺めていると、もう少しで家に入ってもらえる、というその寸前のところで七福神は急に止まりだす。どうやら上がり框(かまち)が高くて通れないようだ。七福神たちは「高うて上がれん、こりゃ残念な」と言って船に引き返して行ってしまった。

朝、目が覚めた体験者は、もちろんこれが夢だと分かりながらも、悔しくて堪らなかった。ところが、その次の日も同じ夢を見た。玄関の先に宝船がやってきて、宝物を持った七福神が降りてくる。あと少しで家に入るというところで、上がり框に引っ掛かり家に入れず、船に引き返していく。そしてそんな夢が5日も続いたそうだ。

流石に何かを感じた体験者は、大工に無理を聞いてもらい、まだ松の内だというのにその日、上がり框を低くしてもらった。

そして、その日の夜、再び夢の中に宝船が現れた。

2021年現在、「新耳袋 第九夜」は読み放題に含まれており読むことが出来るのですが、「怪談狩り あの子はだあれ?」は読み放題に含まれておりません。しかしながら、怪談狩りシリーズや新耳袋シリーズはしょっちゅう巻数ごとに読み放題に含まれたり外されたりしています。先月は読めなかった巻が今月は読めるようになっていたりするんですね。そのため読み放題を考えていて読みたい本がある方は、逐一対象になっているかどうか調べてみても良いかもしれません。

詳しくは下記をご参照ください。

怪談が読み放題!オカルト好きに嬉しい定額サービス、Kindle Unlimited

思ったこと

私が面白い、恐ろしいと思ったのは、「福の神」を逃すことは福を逃すことだけにとどまらない可能性があるということです。

上のあらすじでは省略しましたが、「掛け声」に出てくる「隣にあるお金持ちの家」は、福の神にある事をしてしまったせいで財政が衰退していったことが作中では描かれています。そのある事が何なのかはここでは伏せておきますが、簡単に言えば福の神を呼び込む千載一遇のチャンスを逃してしまった、むしろ自分から追い出してしまったのですね。
これはその家族が元々実力以上の富を福の神から与えられていただけだったのか、はたまた福の神を逃すことは不幸を呼び込むことになってしまうということなのかは分かりません。ですが、体験者のおばあちゃんによればこのような音は「一生に一回、聞けるか聞かれへんかというもの」というくらいありがたい物なんだそうです。

隣近所でそんな幸運がホイホイと回っていること自体がそもそも羨ましい話ですが、もしそんなチャンスがあったなら、我々は全力でそれを掴みに行かなければならないようですね。

家の中はいつも綺麗に

もしかしたら「上がり框」がそこまで高いお家は少ないかもしれませんが(ウチなんて完全にフラット状態です)、例えば玄関から家の中へと続く動線に何か余計な物を置いたりしていませんか?

七福神がつまづいてしまうかもしれない上がり框


これでは折角の福の神も障害物に遮られてしまい、お家の中に入ってくるのを諦めてしまうかもしれません。私はそのジャンルには詳しくないですが、これは風水的に見ても良くないとされているそうです。運気がスムーズに流れていかず、悪いものが溜まるとか言ったりするんですね。

新年直前のこの季節、大掃除も兼ねてそういったことを見返してみてもいいかなと思いました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本日は是非家にやってきて欲しい福の神について書いてみました。

さて。本記事が年内最後の更新になるかと思います。
今年は当ブログ始動の年だったのですが、いざ始めてみるとやはり、題材を考えてそれを文字に起こして画像も作り…という一連の作業はとても大変なものでした。元々ブログ運営の大変さは聞いていたのですが、当初目標にしていた100記事には到底及ばず、途中で上手く更新が出来なくなってしまったこともありました。
それでもこうして無事に書き続けることが出来たのは、ごく少数ではありながらもこのブログを読んで下さっている物好きな皆さまのお陰です。
この場を借りてお礼申し上げます。

2021年は公私ともに酷くトラブル続きでしたが、来年こそは金銀財宝に恵まれたハッピーな年を送りたいものです。

それでは皆さん、良いお年を。

オカうさ
オカうさ

来年また会いましょう