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怪談と伝説から「鬼」を考察。その正体や倒し方など

こんばんは。

先日加入したkindle unlimitedで鬼の怪談をまとめた「鬼怪談 現代実話異録」を読みました。

オカうさ
オカうさ

4ヶ月前に出たばかりの本なのに無料で読めるのはすごいです

とても面白くて参考になる良い本だったのですが、今日は本の紹介ではありません。日本人なら誰でも一度は聞いたことがあるについてです。

子どもの頃は桃太郎から始まり、大手通信会社のCM、最近では人気漫画「鬼滅の刃」の影響で誰しもが馴染みがあるわけですが…
ほとんどの人はそんな彼らのことを詳しくは知らないかと思います。果たして彼らは一体どんな存在なのでしょう?私の中ではやはり鬼と言えば「恐い」「邪悪である」といったイメージが強いのですが。

というわけで、今日は鬼について研究していきたいと思います。

鬼とは?

鬼は一般的に伝説上の存在とされている日本の妖怪です。

地獄で働いていることから、私としてはもう少し位の高い存在なのかと思っていたのですが、あくまで妖怪の一種なのだということに驚きました。

また、「一般的に伝説上の存在とされている」くせに日本各地には「鬼のいた山」だとか「鬼の子孫」なんて話が残っていることでも有名です。何百年も昔、そこには一体何がいたのでしょうかね。

鬼にも色々な種類がいる

さて、そんな鬼ですがその外見は筋骨隆々で頭に角が生えた、虎柄模様のパンツを履いた我々のイメージ通りのもの…だけではありません。

人を騙す戦略として人間の姿をとるもの、または人間から鬼と化してしまうものまで様々だそうです。つまりひとえに鬼と言っても色々いるというわけですね。

ナマハゲ

ちなみに秋田県ではナマハゲが有名ですが、アレは外見だけ見れば鬼そのものですが実は神様の一種で、厄を落とし祝福を与えてくれるありがたいものなんだそうですよ

獄卒(ごくそつ)

私が鬼と聞いて連想するのは、子供の頃にお寺で見た地獄絵図に描かれたものです。これがまたおどろおどろしく、当時の私からすればクソ恐ろしいものでした。地獄に落ちた罪人をこれでもかというくらい悲惨な方法で拷問する、血も涙もない存在。いわゆる獄卒と呼ばれる連中です。

怪談や宗教には教育的な側面もあるといいます。
早く寝なきゃお化けが出るよ!だとか、危険な場所には〇〇が出ると言って脅かしたりするんですね。
その側面を見出した大人たちの思惑は当たったようで、一体どうすればこの恐ろしい地獄に行かずに済むのか、幼い私はよく頭を悩ませたものでした。

今でもこのイメージが強いのか、私はやはり鬼と言えば「恐い」印象があります。

賽の河原の鬼

また、人が死んだら渡ると言われている「賽の河原(さいのかわら)」にはすごく意地悪な鬼がいるという話です。

ある条件を満たして死んでしまった子供はそこの河原で石を積まなければならないのですが・・・その石を積み上げる頃になると何処からともなくその鬼がやって来て、折角積み上げた石を木っ端みじんに崩して行くわけです。そうすると子どもたちはまたその石を積み上げなければならないわけですが、また完成しそうになると鬼が来て…とこれを延々と繰り返させられるわけです。

では一体何の因果で子どもたちはこんなことをさせられているのかと言うと、親より先に死んだことに対する罰だそうです。

地獄先生ぬ~べ~」にそんな話が出てくるのですが、子供心に「なんて理不尽な話なんだ!」とびっくりした記憶があります。ムカつく奴らです。
ちなみに「ぬ~べ~」では臨死体験をした小学生の魂にくっついてこいつが現世にやってくるわけですが、最後はぬ~べ~の手によって八つ裂きにされていました。

オカうさ
オカうさ

文字通り「手」によってやられてたよね

般若(はんにゃ)

能で使用する「般若」という面があります。これは鬼の顔をかたどった面なのですが、なんと、元は人間だったそうです。嫉妬に狂った女性がその怨念によって鬼と化してしまったんですね。

般若の面

つまり、人間だったものがあまりの念の強さによって鬼になってしまったということです。生え揃った牙と吊り上がった目、額から突き出した角を見ればまるっきり鬼そのものであって、もはや元が人だったとは到底思えません。


ちなみにここから更に怨念が強くなると、「真蛇」という蛇のような顔つきになるそうです。やはり蛇というのはなにかとつけてマイナスイメージなんですね。

こんな鬼も

そんな邪悪なイメージばかりある鬼ですが、「鬼怪談 現代実話異録」の“恩返し”という話では漢気があって話せば分かる、一本筋の通った鬼の話が紹介されていました。

あらすじの前半部分だけご紹介しましょう。

明治時代のこと。

茨城県のある村にいきなり鬼が出るようになったそう。鬼は夜な夜な現れては村人を襲うので、村人たちは怖がって夜になったら決して外を出歩かなくなったそうだ。

ところがある日、葬儀のため村人全員で夜の山道を歩かなければならなくなってしまった。

そこに三体の鬼が現れた。
鬼は鋭い爪と牙で村人たちを次々と襲い、男衆はそれに応戦している。それを見ていた“祖母”は、鬼のうちの一体がまだ子どもだということに気がついた。親という立場でありながらも子どもを相対的に「人殺しの子ども」にさせてしまっていること、いつ返り討ちに合うか分からない襲撃に巻き込んでいることから鬼に対して怒りを覚えた“祖母”は鬼に対して詰問する。何故人を殺すのかと。

すると鬼はぼろぼろと涙を流しながら、辿々しい言葉を話し、ここの村人が鬼の他の子どもを殺したことを話した。それの復讐と、2度と同じことが起きないように人間に恐れを抱かせるために襲うようになったのだと。

それを聞いて思い当たる節があった“祖母”は村人を代表して人間たちの非を認め、自分の「髪」を約束の証として手打ちにしてくれと説得する。“祖母”のそんな態度と心意気に圧倒された鬼はこれを了承。これにて事態は終息し、鬼に村人が襲われることはなくなった。

ここまでが話の前半であって続きは是非とも本編で読んで頂きたいと思うのですが、この鬼は何年も前の恩を律儀に忘れることなく戦火の最中、借りを返しに来てくれました。また、文末の一文からは何十年も経った今でも、世代を超えてその友好関係は続いているものだと分かります。

ちなみに今回ご紹介する「呪術怪談」は2022年2月現在、kindle unlimitedで読み放題で読むことができます。購入すると単行本で¥748、Kindle(電子書籍)でも¥673するのでお得な読み放題がおすすめです。この他にも「新耳袋」や「怪談狩り」など、絶対読むべき怪談本がunlimitedには沢山含まれていて充実のオカルトライフを送ることが出来ます。詳しくは下記の記事をお読み下さい。30日間無料です。

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倒し方

そんな鬼ですが、不幸なことにもし遭遇することがあったらどうすれば良いのでしょう?我々には出会ってしまった己の不幸を嘆きながら、体を引き裂かれる道しか残されていないのでしょうか?

「酒呑童子」の伝説を皆さんはご存知でしょうか。

酒呑童子(しゅてんどうじ)は平安時代に京都を大暴れして回り、源頼光に討伐されたとされる鬼の名前です。この鬼、大酒を飲んでは人を拐ってその肉を喰らうというとんでもなく悪い鬼だったそうです。

こいつがあまりに暴れ回り社会に混乱が生じたことから、かの有名な安倍晴明がその鬼の居所を占ったところ、大江山にその住処があることが判明します。
そこで源頼光が討伐に向かわされたわけですね。

オカうさ
オカうさ

彼こそが正真正銘の鬼殺隊だったわけですね!

ではどうやって討伐したのか。簡潔に言えば毒酒を振る舞い、前後不覚に陥っていた酒呑童子の首をはねてやったわけです。逆を言えば「そこまでしなければ倒せない」ということなのかもしれませんが、幸いなことに鬼も泥酔もすれば物理攻撃も効くみたいです。

毒酒の入手がなかなか難しそうではありますが、体を引き裂かれる以外にも道は残されているようです。

追記:酒呑童子についての記事を更新しました。

日本三大妖怪とまで呼ばれるようになった鬼!「酒呑童子」の伝説

考察・鬼の正体

先ほども申しあげたように私は幽霊・妖怪・鬼といったように“鬼”というカテゴリがあるのかと思っていたのですが、厳密には鬼も妖怪の一種なのだそうです。というわけで鬼の正体は妖怪なわけです。それ以上でもそれ以下でもありません。

ただ。
一般的には妖怪は存在しないとされていることは私も承知していますので、ここでは巷で囁かれている“鬼の正体”について考察していこうと思います。

盗賊説

先ほどご紹介した酒呑童子ですが、実はその正体は鬼ではなく盗賊なのではないかとされる説があるのだそうです。確かに血を浴びながら人の肉に食らいつくその様子は、文字通り鬼の所業に見えた事でしょう。
また、伝承する際にも盗賊よりも鬼とした方がストーリー性がありますし、もしかしたら蔑称のような意味合いを込めて鬼の名を冠したのかもしれません

となれば、この話以外にもそういった悪い奴らの比喩として「鬼」が使われた可能性はあると思います

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白人説

これは現代では差別行為と結びつけられそうな説ではありますが、個人的にはとても面白い見解だなと思いました。

はるか昔、もちろん海外からの観光客などもおらず、生まれてから死ぬまで同人種しか見た事がない日本人たちが、初めて白人を見たら一体どう思うのでしょうか。自分たちよりやたらとと体格が良く、肌も瞳も、髪の色もまるっきり異なり、喋る言葉すら違う人たちに、とても驚いたのではないかと思います。それどころか、「得体の知れないもの」だとして恐怖を覚えた可能性だって十分あるのではないでしょうか。

面白いことに、上述した「酒呑童子」にも盗賊説以外に「シュタイン・ドッチ」というドイツ人だったという説もあります。現代の価値観を持つ我々からすればびっくりするような話ですが、当時の人たちからすれば大いにあり得る話なのではないでしょうか。

少なくとも自分たちとは全く異質なものと、その目に写ったことは確かでしょう。

もしかしたら本当に人が鬼になるのかもしれない

上記の“恩返し”の話を読んで私は、角が生えていることだけが鬼の条件なのか?と疑問に感じました。それは、律儀に義を通すその様子が、地獄に落とされた罪人よりもよっぽど人間くさく感じられたからです。

現代でも、悲惨な事件を起こした犯人のことを鬼に例えることがあります。

たとえ公の事件にならなくとも、およそ人の心を持っているとは思えないような、文字通りの「人でなし」は残念ながら沢山います。金銭欲しさに人を陥れたり、子供や動物を虐待するような連中ですね。

もしかしたら彼らは本当に、というよりも彼らこそが現世にはびこる本物の鬼なのかもしれないなと思いました

そう考えると盗賊説もあながち誤りではないのかもしれません。そしていずれは般若のように、容姿まで本物の鬼に変化してしまうのかもしれません。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

本当は今回、都市伝説「くねくね」についての話を書こうかと思っていたのですが、読み終わったばかりの「鬼怪談」があまりに面白く、急遽こちらの話題になってしまいました。おすすめホラーとして紹介しているわけではありませんが、是非こちらも一度読んでみて下さい。

オカうさ
オカうさ

何かに特化した怪談本というのは面白いです

また、調べれば日本全国色々なところにその伝承があるみたいなので、いつかそういうところに自分の足で実際に訪れることが出来たらなと思います。そして旅のついでに旅館に泊まって温泉になんか浸かっちゃったりして、美味しいご当地グルメなんて食べた日には私はもう2度と東京には帰って来ないかもしれません。

それではまた。