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「どんなに悪い運でも良くなる」と豪語される「蛇塚」へ行って参りました

こんばんは。
今日は久しぶりに「行ってきた」の更新でございます。

行ってきた場所は東京タワーのお膝元、芝公園。

近くには福澤諭吉で知られる我が敬愛する母校とは全く関係のない慶應義塾大学や、多くの人間を惹きつけて止まないらーめん二郎 三田本店があり、徳川将軍家とゆかりの深い増上寺を取り囲むように作られております。
一件オカルトとは全く縁もゆかりもなさそうな大都会にあるこちらの公園ですが、なんとここに「蛇塚」と呼ばれるものがあるそうなんです。

オカうさ
オカうさ

うさぎだから蛇はちょっと…

「蛇」も怖いし「塚」もなんだか恐ろしいしで、なにやら恐怖心を掻き立てられる気がしますが、大間違い。なんとここ、金運・財運・出世運のご利益が見込めるパワースポットなんだそうです。
聞くところによればこの蛇塚に参拝してある事をすると、「どんなに悪い運でも良くなる」のだとか。

最近なぜか公私ともにトラブル続きのわたしには丁度良い場所です。
かつてなかやまきんにくんが、「健康のためなら体を壊しても良い」と言っていましたが、今の私は金運が上がるのならばお金を払っても構いません。

ということで、今回はそんなスピリチュアルな旅へと出掛けて来ました。どうぞお付き合いくださいまし。

蛇塚との出会い

まず初めに、蛇塚とは東京港区にある都立公園「芝公園」の中にある蛇を祀った塚のことです。

事の始まりは西浦和也さんの怪談書籍「帝都怪談」を読んでいる時。ある1つの話に出会いました。それこそが今回の旅の目的地でもある「蛇塚」の話だったのです。
この話は「逆さ吊りになって降りてくる女」や「無数の手を伸ばし人を線路に引き摺り込もうとする女」などのクセの強い猛者たちがラインナップされる本著の中ではとてもほっこりとする話でした。

ざっくりとこの「蛇塚」という話をあらすじ紹介すると、

オフィスで使う事務用品の宅配を行なっている会社に勤める体験者は急ぎの注文を見過ごしてしまい、取引先に大きな損害を与えてしまった。しかもそれが2回目だったということもあり、当面の間出入り禁止になってしまった。

当然叱責されるものと考えていた体験者だったが、それを知った上司が持ちかけてきたのは、奇妙なことに「蛇塚」と呼ばれる塚へのお供えであった。

なんでも、そこの塚に卵をお供えすると、どんなに悪い運でも良くなるのだとか。

はじめは気乗りのしない体験者だったが、上司のあまりの力説に負け、ある日蛇塚へと向かう。

いざ目的の塚の前に立つと、他にも卵や日本酒など沢山のお供物が置かれており、今でも沢山の信仰を集めている塚なのだと分かった。旧時代的な話だっただけに今でも信仰されている様子を見てどこか安心した体験者は、塚の前にしゃがみこみ、持ってきた卵をお供えし始めることにした。

すると、その拍子に突風が吹き始め、体験者はバランスを崩して卵を落としてしまう。急いで確認すると、持ってきた卵は一つ残らずぐしゃぐしゃに割れてしまっていた。

仕方がないのでそのまま割れた卵をお供えした体験者だったが…。

というものでした。

気になる方は是非「帝都怪談」の「蛇塚」という話を読んでみてください。2021年12月時点で読み放題です。

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さて、上記の話はにしうらわさんが蒐集したお話ですが、この蛇塚のご利益自体はとても有名なようで、過去には都内屈指のパワースポットとしてテレビ番組でも取り上げられたこともあるそうです。
なんとも心強い限りですね。

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蛇塚の伝説と成り立ち

そもそもなぜこの塚にそんな力があるのかと言うと、どうやら昭和40年代に新宿で飲食店を営んでいた神成志保という女性が、夢や自宅で蛇を見るようになってから店が繁盛するように。そして家のタンスの中から蛇の抜け殻が出てきたことをきっかけに、感謝の意味を込めて「蛇の置物」をこの公園に置いたのが始まりだと言われているそうです。

昭和40年代といえば1965年〜1974年のどこかということになりますが、その時代に新宿ではタンスの中に蛇の抜け殻があり得る環境だったのかという衝撃はさておき、わりかし最近に信仰が始まった塚だということになんとなく親近感を覚えます。

とは言え、芝公園は都立公園。東京都が運営する公園です。本来ならば塚を建立するどころか、勝手に像を置くことすらままなりません。
が、付近にある「心光院」のご住職が事情を聞きつけ上手く仲介役を果たしてくれ、塚の建立にまで至ったそうです。

白蛇というと山口県の岩国を連想しますが、わざわざ国内を旅行しなくてもそのご利益に預かれるというのは都内在住の私にとってはありがたい限りでございます。
そもそも白蛇というのは昔から弁財天と言われる財運の女神がお使いにしていると考えられており、そこから金運アップや商売繁盛へと繋がっていくそうなんですよ。 

稲荷神社のご利益と罰!お稲荷さんにまつわる怖い話

実際に行ってみた

さて、ここからは実際に現地に向かったレポートをお伝えしていきたいと思います。

この日、私とオカうさはJR「田町駅」に降り立ちました。ここから金運アップの道のりが始まるわけです。

オカうさ
オカうさ

よろしくお願いします


この田町駅、最寄り駅ではないのですが、後述するラーメンをどうしても食べたかったので、お散歩がてら少し離れたこの駅を選びました。田町駅からでも東京タワーを目指して歩けばマップを見なくても辿り着けますしね。

さて、大通りに沿っててくてく歩いて行くと、色鮮やかな景色が見えてきます。芝公園です。こんな高層ビルが建ち並び車の往来が激しい都心の真ん中なのに、この公園一帯は本当に居心地が良かったです。

前日天気が悪く心配していたのですが、絶好のお散歩日和となってくれました。

ここからは肝心の蛇塚です。
公園が広くて私も右往左往してしまったのですが、芝公園19号地「もみじ谷」の中にありました。地図で見てもすぐ真横に東京タワーがあるのが分かります。

ただここで一つ残念なお知らせがあります。
「帝都怪談」の「蛇塚」では2回目向かった時には工事中で通行止めとなっていて中に入れなかったと、更にネットの検索キーワードには「立ち入り禁止」が関連語として入っていたので心配していたのですが、その不安は見事に的中してしまいました。

蛇塚は立ち入り禁止に

まるで捜査の手でも伸びたかのような黄色いテープが張り巡らされ、立ち入ることが明確に歓迎されていない状態でした。2021年12月現在、蛇塚への立ち入りは禁止されています。
正直、誰も見ていないしバリケードが張り巡らされているわけでもないので潜って入れないこともありませんが、せっかく有難い物に触れたくて来ているのにそんな真似をするのもなと気が引けてしまい断念しました。

一瞬どこかに鑑識でもいるのかと・・

立入禁止の理由を近くのおばさんに尋ねても、地元の人間ではないので分からないということでした。
が、恐らく理由はこれなんじゃないかなーというものを発見してしまいました。蛇塚のすぐ傍にあった看板です。「不法投棄はやめてください」と書かれています。

実は、事前に蛇塚のことを調べていた際、「お供物がカラスたちに食い荒らされるので地域住民が迷惑しており、お賽銭などを置かれた際には全て拾得物として警察に提出している」といった旨の情報を掴んでおりました。その為、お供えした物は全て持ち帰ってくださいね、ということでした。
しかしながら、置かれていくお供物は恐らく減らなかったのではと推測します。そしてその為、大変残念なことではありますが、蛇塚への参拝自体を禁止しようということになったのではないでしょうか。

完全に私の推測ではあるのですが、帝都怪談に書かれていたような工事は行われていませんでしたし、危険があって立ち入りを禁止するには少々やる気のない取り締まり方だと思いました。

その姿を確認することは出来る!

ただ、立ち入りを禁止されているからといって今回の行脚が全くの無駄骨になったというわけではありませんでした。多少の距離はあるものの、蛇塚自体は確認することが出来たからです。
そもそもお供物をしないのであったら遠くから見ても近くから見ても同じなわけで(私自身は細かいディティールなどを見たかったのですが…)、もしかしたら立ち入りを禁止されているのもそう言った理屈からかもしれないですね。

ズームして撮ったため画質が粗いですが、お地蔵さんが確認できます。

遠くはありますが、赤いちゃんちゃんこを着たお地蔵さんが奥に3つ、そしてその手前にもお地蔵さんがあるのが確認出来ます。
噂によればこの1番奥のお地蔵さんの裏手側に白蛇の像が安置されているのだとか。

オカうさ
オカうさ

白蛇の像?抜け殻はどこ行ったの?

私は残念ながら確認することが出来ませんでしたが、安置されているのは蛇の置物であって、タンスの中にあったという抜け殻では無いそうです
もしかしたら抜け殻自体はもっと見えないように工夫して置かれているのかもしれません。

もう一つの白蛇像

残念ながら蛇塚に参拝することは出来ませんでしたが、祀られている白蛇像と恐らく同じ物であろう白蛇像はこの眼でしかと見ることが出来ました
向かった場所は蛇塚から徒歩5分程度の場所にある「心光院」。先ほど蛇塚建立に力を貸してくれたと説明したお寺さんですね。

心光院

なんでも蛇塚を建てた女性は、東京タワー近くにあるお寺の本堂の屋根の上に白蛇が登って行くのを夢で見たそうです。それで実際に捜索に来たらこの心光院を見つけた、ということなんだそうですが、そう考えるとこちらの方が蛇塚よりも白蛇に縁がありそうな気もしてきますよね。というわけで、当然こちらも確認しに行きました。

白蛇像
神成「澪」氏の作らしい

こちらはお供物が禁止されていないようで、沢山のお神酒やワンカップなど沢山のお酒がお供えされています。面白いのが、御神体が神成澪氏の作だからか、沢山の「澪」(お酒の名前)がお供えされていました。

肝心の卵のお供えはありませんでしたが、今でもこうして沢山の人の信仰を集めているのを見ると「蛇塚」の体験者と同じようになんだかほっこりとします。

結局お供えも出来ず、遠くから手を合わせて散歩してラーメンを食べただけとなってしまいましたが、私にも何かご利益があれば幸いです。

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周辺環境

ちなみに周辺環境としては先程も申し上げましたように、慶應義塾大学や東京タワーが挙げられます。

ただ皆さん気になるのはいつの時代もやっぱりご飯どころではないでしょうか。

そこで先ほどから散々出てくるラーメン屋です。
近くには二郎 本店もあるのですが、私は数年前からその近くにある「やっとこ」という味噌ラーメンが好きで、何度かわざわざ食べに行ったことがあります。

山椒と唐辛子が人気の中、どちらも「抜き」でお願いしました・・それでも美味しい

蛇塚にお越しになった際には是非ともお立ち寄りください。美味しいですよ。

アクセス

芝公園

〒105-0011 東京都港区芝公園4丁目3

やっとこ 三田店

〒108-0073 東京都港区三田3丁目1−1

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は珍しく人死にの出ないたいへん縁起のよろしい記事を書かせて頂きました。同じにしうらわさんの話でも「獄の墓」なんかとは大違いです。普段からこういうハッピーな話に触れたいものですよね。

【獄の墓】ぶどうが祟る?知れば呪われるかもしれない最凶忌み地

蛇塚のご利益については分かりませんが、なんだか行っただけで晴々とした気分になれる、とても気持ちの良い場所にあるパワースポットでした。
出来ることなら私も卵をお供えしたかったのですが叶いませんでした。
これを読んで実際足を運んでみようとお考えの方も現地のルールに沿って敬意を持って振る舞ってもらえればと思います。

それではまた。