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名前は隠せ!「忌み名」から考える「名前」の持つ意味

こんばんは。

ブログ開設から早8ヶ月(くらい)が経ちました。

時が移ろい季節は流れ、ただの零細ブログにすぎなかった当ブログのアクセスが最近ようやく増え始めてきてくれました。

同じ趣味を持った知らない誰かがこれを読んでくれているのかと思うととても嬉しいです。

収益化からは程遠く、まだまだ趣味の延長線程度にあるハイパーナチュラルですが、これからもどうぞよろしくお願いします。


さて、本日は名前にまつわる話をしようかと思います。

皆さんはそれぞれ素敵なお名前をお持ちのことだと思いますが、もし自分が認知しているその名前とは別にもう一つの名前があると言われたらどうでしょうか。

これを「忌み名」と呼びます。

いかにも意味ありげなこの字面ですが、あなたのその感覚は正しいです。

オカうさ
オカうさ

忌みだけに

今日はそんな「忌み名」を通して、名前の持つ霊的な意味を考えていきたいと思います

忌み名とは

まずは忌み名の説明です。

最近でこそそういった風習もなくなりましたが、日本では古来より2つの名前をつける慣習があったそうです。

それは先日書いた陰陽道から来ている考えなんだそうで、その2つの名前というのが「通り名」「忌み名」です

陰陽師、それは鬼や怨霊から都を守る国家公務員である!


他にも、以下の呼び方がありますが本記事では「忌み名」「通り名」で統一します。

  • 忌み名・・諱、真名
  • 通り名・・字名(あざな)、隠し名

さて、この2つに何の違いがあるのかと言うと、通り名(字名)は読んで字の如く、一般的に知られているその人の名前というわけです。

友人や彼女なんかも皆その名前であなたのことを認知していて、親も一般的にはこの名前であなたのことを呼びます。

ところが、極端なことを言えばこれはただのニックネームに過ぎません。

もう1つの名前である忌み名(真名)こそがその人の本当の名前であるというのです。

この忌み名は通名とともに親がつけるものですが、一般生活においてその忌み名は隠されており、他人に知られてはいけないものです

なぜ知られてはいけないのかというと、忌み名はその人の霊的人格と深く結びついており、それを知った相手があなたのことを支配出来てしまうからです。

そしてこの場合の支配というのは比喩ではありません。

文字通り、あなたの行動を支配をすることが出来ると考えられています。


分かりやすく具体例をあげましょう。左にいますこのオカうさ。

オカうさ
オカうさ

こんばんわ。

こいつは日頃オカうさ呼ばわりしていますが、これはこいつの通り名であって皆さんにも認知されている名前です。

いくら「おいオカうさ!」なんて呼んだところで決して膝の上に乗ってきたりはしないのですね。

しかしこいつにも本名があります。

生前、私が生まれたてのこいつに付けてあげた本当の名前です。

だからその忌み名を使って指示を飛ばすと大人しく膝の上にも乗ってくるし、必死にこのブログのために働いたりもするというのです。

オカうさ
オカうさ

・・・

これらは説明のために半分冗談で、オカうさに忌み名を付けているわけではありません。

ですが現代では忌み名を持っている方はかなり少ないと思うので、ニックネームとは別の「本当の名前」という意味で使いました。

  • 名前には「忌み名」と「通り名」がある
  • 「通り名」はまわりに知られている名前だが、ニックネームにすぎない
  • 「忌み名」が本当の名前で、誰にも知られてはいけない
  • 「忌み名」を知られると、その人に行動を支配されてしまう

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忌み名の怖い話

西浦和也さんが書いた「獄の墓」に忌み名にまつわる怪談が出てきます。

「コウジのお守り」というお話です。

小学生時代、体験者はコウジという子のパシリだった。

学校の当番を代わらさせられたり宿題をやらされたり、良いように使われていたのだという。

そんな体験者が気になっていたのは、コウジがいつも首からぶら下げて離さないお守り袋だった。

それは神社で売られているようなものではなくお手製といった感じで、コウジは決してそれを肌から離そうとはしなかった。

ある日プールに遊びに行った際、コウジが例のお守り袋を更衣室に置きっぱなしにしているのを体験者は気づいた。

日頃コウジが大切そうにしているのを知っているだけに、急に中に何が入っているのか気になってしまった。
そこでコウジが周りにいないことを確認した上で中身を確認すると、そこには和紙に包まれた小さい木の板が入っており、板には二文字の漢字と、その裏にはコウジの誕生日が書かれていた。


そこにコウジが戻って来てたので、体験者はふいにそのお守り袋を自分のポケットに突っ込んでしまった。
帰り際にコウジはお守り袋が無いと騒いだが、体験者は知らないフリをするしかなかった。


翌日から2人の立場は逆転した。体験者が何かを命じるとコウジはその通りに行動し、決して逆らうことはなかったそうだ。

体験者はなんとなくそれがお守りのせいだと気付いていたが、誰にもその事は言わなかったという。


最終的にそのお守りは火災で燃えてしまい、それとともにコウジも火事で亡くなってしまったのだという。

正直、お守り袋の焼失とコウジの焼死の因果関係は分かりませんが、知った相手に主導権が渡ってしまう忌み名の怖さはお分かり頂けたかと思います。

しかしこのお守り袋、一体何のために持ち歩いていたのでしょう。

まだ小学生のコウジですからきっと親が持たせていたのだと思うのですが、その目的は何だったのでしょうね。

そんな危なっかしい物を子ども本人に託すとはとても思えません。

西浦さん(西浦和さん)は忌名の存在でこの話を結んでいますが、もしかしたらもっと別の何かだった可能性もあります。

こういった推測がまた楽しいんですよね。

ちなみに。この書籍のタイトルにもなっている「獄の墓」という話はめっちゃ怖いです。

あ、オカルト探求で人は死に得るんだなと思い知らされました。

上記でご紹介した「獄の墓」は2022年2月現在、kindle unlimitedで読み放題で読むことができます

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考察

それではここから「名前の持つ霊的な意味」について考えていきたいと思います。

先ほど、「忌み名はその人の霊的人格と深く結びついている」と言いました。

しかしながら、なぜ名前にそんな特別な力が宿るのでしょうか?


思えば、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」でも「名前」はとても重要視されていました。

湯婆婆(ゆばーば)は魔法で千尋の名前を「千」に変えてしまいましたし、ハクは「自分の名前を忘れてしまうと(神々の世界から元の世界に)帰れなくなる」と言っていました。

夢枕獏さんが書いた小説『陰陽師』の中では、名前は「この世で一番短い呪(しゅ)」という言葉が出てきます。

オカうさ
オカうさ

他にもハンターハンターの「メルエム」など、みんな名前に執着しています


ただの名前になんで皆さんそんなに拘るのでしょう?

それは、名前はその者の正体であり、それを知ってしまうと良かれ悪かれそのモノとの「縁」が結ばれてしまうからです。

名前はその者の正体

悪魔祓い(悪魔払い)はとても有名で、「エクソシスト」や「ザ・ライト」など、数々の映画作品のモチーフとなっています。

ですが実際に、どうすれば悪魔を祓えるかはご存知でしょうか?

悪魔祓いに必要なこと、それは「悪魔の名前を知ること」なんだそうです。

これは映画の世界に限らず、実際にローマカトリック教会でもそうされているそうです。

悪魔の名前を知ることによって、初めて悪魔祓いが成功する。

これは逆を言えば、名前が分からない限り悪魔を追い出すことは出来ないということになります。

それくらい、名前が大切なんですね。


では、なぜ悪魔の名前を知ることが必要なのでしょうか。

私は名前を知ることがその悪魔の正体を見極めることになるからだと思います。

名前を知られていない悪魔からすれば、「神の命令は絶対だとしても誰に命令してるのか分からないから聞かない」という理屈なのでしょうか。

おすすめホラー映画 エクソシスト半世紀経っても怖かった!おすすめホラー映画「エクソシスト」をご紹介と考察

名前を知られると「縁」が結ばれる

世の中には様々な呪いがあります。

恐らくその中で最もオーソドックスな呪いは、藁人形に釘を打ち込む丑の刻参りですが、その際に必要なのがやっぱり相手の名前です。

【呪いの解き方】お金をかけず、誰でも簡単!怪談と霊能者から学ぶその方法とは


また、呪いと並べるのも失礼かもしれませんが、神社の参拝の時にも自分の名前と住所を伝える必要があるとされています。

不思議ですよね。

どちらも人智を超えたものなのに、ここでもわざわざ名前が必要なんですよ。

名前なんか伝えなくとも、人ならざる者だったら私たちがどこの誰かなんてすぐに分かりそうなものではないですか?

ですが違うんです。

名前が分からない限り、呪いを届けるモノも神様ですら、その力を及ぼすことが出来ないのです。

「縁」が結ばれていない、全く関係性の無い人間にはその力も及ばないのですね。

余談ですが、とある島の山では妖(あやかし)に名前を知られぬように偽名で呼び合わなければいけないという注意を聞いたことがあります。

その理由は「名前さえ知られなければ悪さはされないから」だそうです。

名前の本当の意味

これらのように、名前には私たちが考えている以上に大きな意味があり、そこには霊的な意味が含まれます

単純に文字を羅列しただけの記号ではないのですね。

そしてそれだけ特別な名前ですから、忌み名のように特別な力が宿ることももしかしたらあるのかもしれません

同じように、親が子に祈りを込めて名前をつける時その子はきっとその祈りに応えて育つのではないでしょうか。

  • 名前はその者の正体
  • それを知ってしまうと、その者と縁がむすばれてしまう
  • 縁がむすばれると影響が及ばされてしまう
  • 名前には特別な力がある

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

それでは本日のまとめです。

今回のまとめ
  • 名前には「通り名」と「忌み名」がある
  • 忌み名を知られるとその者に行動を支配されてしまう
  • 名前はその者の正体である
  • その正体を知るということはを結ぶことである

ネットで買い物をするとき、スーパーの会員カードを作る時、フリマアプリで売れた商品を発送する時。

現代に生きる我々は、自分の名前を他人に明かす機会はいくらでもあります。

ですがそんな時、少し踏みとどまるクセがあっても良いかもしれません。

名前を知られることはあなたの「正体」を明かすことであり、それは善かれ悪しかれ「縁」となってしまいます

そしてその「縁」の先にはもしかしたら望まぬ何かが待っているかもしれませんよ。

オカうさ
オカうさ

名前は明かさぬ方向で

それではまた次回お会いしましょう。