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陰陽師、それは鬼や怨霊から都を守る国家公務員である!

こんばんは。

当ブログを読んでくださっている方は、もちろんオカルトが好きなことだと思います。
幽霊や鬼・神・狐狸妖怪など、一般的には「無い」とされるモノを考えるのはとても神秘的で面白いものですよね。

オカうさ
オカうさ

わかります

そんな皆さまの中にはもしかしたら「陰陽師」に憧れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

怪談ではいまいち馴染みの薄い陰陽師ではありますが、数々のドラマ化がされ、多くのファンを魅了し続けています。
私自身、今回陰陽師について色々調べている内にどんどん惹き込まれていくのを感じてしまいました。

ということで、今日の記事はそんな魅力溢れる「陰陽師」についてでございます。

陰陽師とは

陰陽師(おんみょうじ)は飛鳥時代以降に日本で設けられた官職、つまりは国家公務員であり、その職務は天変地異の予測・占い・雨乞いなどの祈祷から、鬼や怨霊から都を守る結界を張ったりなど、多岐に渡ったとされます
現代だったら「胡散臭い」イメージがついてしまいそうですが、当時は国から正式に認められた職業だったのですね。

そんな彼らの実力は折り紙つきで、時には天候さえ自在に操ったともされます。
今でこそ食べるものに困ることはありませんが、当時は飢饉と隣り合わせの時代であり、そこには天候が大きく左右します。王朝時代以前は、雨乞いが国家による儀礼として行われていた程です。
そのため、天候を左右することができる(とされている)陰陽師はだいぶ重宝されたのではないか、と想像できます。

そもそも陰陽師というのは中国から伝わったとされる「陰陽五行説」に基づいて生まれた「陰陽道」に沿って行動しており、これは「この世のものは全て陰陽の関係から成り立っている」とする考えだそうです。例えば、生と死、太陽と月、光と闇といったものですね。文字通り陰と陽なわけです。
この「陰陽道」は現在の我々の暮らしにも影響を与えているらしく、節分・ひな祭り・七五三などの行事や、風水の考えなどは全てここから来ているのだとか。

ちなみに、実在した中で最も有名な陰陽師といえば平安時代に活躍した「安倍晴明」という人物がいますが、彼は都から見て鬼門の方角に住まわされたそうです。もちろん、陰陽師として都を守るためです。
そしてそんな彼は先日書いた「酒呑童子」の居所を占い、見事突き止めた人物でもあります。

日本三大妖怪とまで呼ばれるようになった鬼!「酒呑童子」の伝説

山には娘をさらう鬼が出て、陰陽師は天候を操る・・・
平安時代、凄い時代です。

陰陽師の「術」

陰陽師が人々を強く惹きつける魅力の1つとして、彼らが使える能力があるのではないのでしょうか。

そうです、彼らは漫画さながらのいくつかの“術”が使えるのです。羨ましいです。

式神

陰陽師が使う術の中で最も有名なのは式神でしょう。

式神は鬼神であるとされ、その姿は使役する陰陽師のみが見ることができ、一般人の目に見えないのだそうです。

式神は普段、「式札」と呼ばれる和紙で作られた札におさめられており、陰陽師は必要に応じて彼らを自由に呼び出すことができます。
そして呼び出された式神は異形のモノや動物などに自在に姿を変えることが出来、その目的に合わせて行動したのだとか。

2匹の式神(右下)と、安倍晴明 
出典:Wikipedia(『不動利益縁起絵巻』)

自分にしか見えない存在を呼び出して自由に使役する・・・その姿はさながら人気漫画のキャラクターであり、陰陽師に人気が出るのは当然ではないでしょうか?
というか、今から千年以上も前から現実世界でこんなことが起こっていた(少なくとも起こっていたとされる)我が国ニッポンなのですから、「ジョジョの奇妙な冒険」や「シャーマンキング」が輩出されたのは当然だったのではないのでしょうか。

オカうさ
オカうさ

ウチは土壌がちげえんだよ!

ではこの式神を一体何に使うのかと言うと、都に災いをもたらす怨霊や鬼などの妖(あやかし)を祓っていたのだそうです。
ただ、この時代、「鬼」は単純に角のある鬼を指すのではなく、王権を脅かす存在全般にあてられていたことには注意は必要です。
あとは敵対する者に呪術をかけたりなどの役割も担っていたのだそうですが、先述の安倍晴明に至っては式神を操るのが飛び抜けて上手かったらしく、家来のように掃除などまでやらせていたともいいます

こうなってくると現代の我々からすればいよいよ現実離れしてきてしまいますね。

また、大人気映画の「千と千尋の神隠し」では、龍になったハクを大量の白い紙が襲うシーンがあります。あれも人形(ヒトガタ)と言って式神の1つで、使役していたのは銭婆でした。そもそも「神隠し」から物語が始まっているわけですし、「千と千尋の神隠し」はオカルトのお手本みたいな映画だなと私は思います。

ちなみに当ブログで度々登場する「新耳袋」の著者・中山市郎さんが別に書いている「怪談狩り あの子はだあれ?」では、隅田川沿いで楽しそうに道を渡るヒトガタを見たというタクシー運転手の話が収録されています。

絶対に読んでほしい怪談書籍、名著「新耳袋」をご紹介

九字切り・九字護身法

こっちもめちゃめちゃかっこいいです。

パッと想像出来た方もいるかもしれませんが、呪文(真言)を唱えながら手で印を結ぶアレです。

「ほんとにあった怖い話」で稲垣吾郎さんが子どもたちに囲まれ「ほん怖五字切り」を行いますが、あれはこの九字護身法の「九字切り」を真似たものとなっています。

そもそもこの九字切り、これは何の為に行われるのかと言えば、「護身法」の名前からも分かる様に身を護るためです。
では何から身を護るのかと言えば、もちろん悪霊や邪気などからとなっております。
唱える真言は臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前です。
口に出して唱えましょう、りん・びょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん」です。

出典:Wikipedia

この9つの文字・印にはそれぞれ神が宿っているのだそうで、その神の力を借りて9回切ることから九字切りの名前がついたのだそうですよ。
実際に、唱えてみただけで何か特別な力を借りたような気持ちになるのですから不思議です。

また、再び漫画の例で恐縮なのですが、「NARUTO -ナルト-」に出てくる「印」も当然これを参考にして作られたものです

というか、この九字切りにしろ先程の式神にしろ、物語性が強いといいますか、少年が憧れる要素がふんだんに盛り込まれていますよね。

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現在も陰陽師はいるのか?

陰陽師は決して創作上の存在ではなく、それを生業としてご飯を食べる人たちが実在しました。
では、そんな彼らは令和のこの時代、一体どうなってしまったのでしょうか?
現役の陰陽師がまだいるのだとしたら、どんな暮らしを送っているのでしょうか?彼らはもう鬼や怨霊と戦うことをやめてしまったのでしょうか。

それを知るにはやっぱり怪異を辿るのが1番です。

陰陽師が出てくる怖い話はとても少なく貴重なのですが、先ほど紹介した「怪談狩り あの子はだあれ?」に収録されている「陰陽師」という怪談で登場してくれます。

オカうさ
オカうさ

現存したんですね!

この話は酔っ払って神社の鳥居を切り倒し神の怒りに触れてしまった男の話なのですが、解決を頼られたのが現代に生きる陰陽師だったのですね。

ここでその話の詳細は伏せますが、その陰陽師の方は電話回線を2つ持っているらしく(おそらく当時は携帯電話が今ほど普及しておらず、メインは自宅の固定電話なのだと推測されます)、1つは一般人として周知されている回線。そしてもう1つは陰陽師として使用している回線なんだそうです。
そしてその陰陽師用の電話が鳴るということは、自分が陰陽師であることを知っている人間がかけているということであり、一見さんからの電話には「誰からこの番号を聞いたのか」と詳しく尋ねたりして、かなり神経を使っていたことが窺えます。

つまり自分が陰陽師であることをあまり人に知られないように、普段は身分を隠して暮らしているのですね。

この話は恐らく少し前の時代のことだと推測されますが、現在でも同じように身分を隠して怨霊と闘っている陰陽師はいるのかもしれません

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まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は多くの人を魅了してやまない「陰陽師」について書いてみました。

陰陽師について改めて調べてみた感想としては、めちゃめちゃカッコいいなでした。思わず私も心の奥底に眠っていたはずの「厨二心」に火が点くのを感じてしまった程です。式神なんてめちゃめちゃ夢があるじゃないですか。

記事でも何回か言及したように、色々な漫画や映画でモデルにされるのも当然だと感じました。こんな魅力的な素材を放っておくわけにはいきません。

そんな能力を持つ人がいるなら是非とも一生に一度くらいお会いして、その話を聞いてみたいものです。

また、これだけの魅力ある話なので、こんな短い記事ではとてもじゃないけど物足りない気がします。4000文字程度じゃとても満足出来ません。
なので、今後第二弾、第三弾として記事を書いていくことも考えているので、楽しみにお待ちください。

それではまた。