オカルト好きの皆さん、お久しぶりです。
更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。
3月に入り確定申告やら本業が忙しく、どうにも手が回らなくなってしまっていました。
ようやく時間に余裕が出来たので、これからもまたよろしくお願いします。

よろしくお願いします!
さて、私は平成生まれなのですが、昭和という時代には凄くオカルト的な印象が強いです。
口裂け女が社会問題になって集団下校させられたり、
70年代のコックリさんブームとそれに対する禁止令、
「ムー」などのオカルト雑誌の流行・・・
夕焼け空の住宅街で白熱灯が作った影の中に、影よりも黒い何かが潜んでいる…そんなイメージが私の中の昭和です。

社会はまだ未成熟で確立されておらず、怪異が私たちの生活に入り込む余地が大いに残されていた時代だったのではないでしょうか。
個人的にはそんな時代が凄く羨ましいです。
というわけで、今日は昭和の時代を騒がせた怪異たちについてお話ししていきたいと思います。
口裂け女
この時代のオカルトを象徴するものと言えばこれではないでしょうか。口裂け女です。
噂話
大きなマスクをした若い女が道端でいきなり「私、キレイ?」と尋ねてくる。
「キレイ」だと答えると「これでも?」と言い、マスクを外して耳元まで裂けた口を見せてくる。
「キレイじゃない」と答えると包丁などの刃物で斬りつけてくる。
多くの漫画や創作でデフォルメされているからかそうでも無い気がしてしまいますが、冷静に想像したら大人でもめちゃめちゃ怖いですよね。
挙句、100mを6秒で走るっていうんだから会えばまず助からないのではないでしょうか。
この口裂け女、他にも三姉妹であるとか、正体は医療整形に失敗して口が裂けてしまった女性だなどの噂が囁かれていたそうです。
物理的な危険物を所持していることと、医療手術を受けていることから、どうやら霊・妖怪の類というよりも狂人として見られていた節が強いそうです。
また、対処法としてはポマードを投げたり、塗っていると良いとも言われていました。
その理由として、整形を担当した医師がポマード臭かったから…なんていい加減な理由らしいのですが、小学生にポマードってのも面白いですね。
当時パトカーの出動騒ぎや、集団下校まで行われたといいます。
ということは子ども達だけならず、大人や社会全体を巻き込んでの問題になったということですよね。
現代で考えると想像できないような混沌ぶりですね。
ただ、この口裂け女の話で面白いのは、古くは江戸時代から、そして日本統治下の朝鮮半島でもその目撃談があったということです。
江戸時代という歴史の古さにも驚きですが、朝鮮半島との物理的な距離にも驚かされます。
社会的には「単なる子どもの噂話」に過ぎないものとされていますが、こう見るとただの都市伝説ではなく、アジア地域に分布する妖怪の類なのでしょうか…?

トイレの花子さん
こちらも口裂け女と1、2を争うくらい有名な話ではないでしょうか。
学校の怪談話には必ず出てくるトイレの花子さんです。
噂話
誰もいない学校のトイレで「花子さん、いらっしゃいますか?」と3回ノックをしながら尋ねて回る。
すると、手前から3番目の無人のはずの個室から「はい」という返答が聞こえ、扉を開けると中にはおかっぱ頭の赤いスカートを履いた女の子がいてトイレの中にひきずり込んでくる。
というもの。
こちらは1980年代に流行りました。
パトカーが出動したりの騒ぎはなかったようですが、全国津々浦々、色々な学校で同じような噂話があったそうです。
SNSなんて存在せず、世界がまだ遠かった時代、どうやってこういった話が全国に広がったのでしょうか。
もしかすると一箇所にとどまるのではなく、全国を転々とする類の霊なのかもしれませんね。
トイレの花子さんと聞いて私が思い出すのは漫画・地獄先生ぬ〜べ〜です。
これから読まれる方がいるかもしれないので本編の内容は伏せておきますが、あんな恐ろしい姿で出てこられた日にはたまったもんじゃありません。
そして気になるのは、一体トイレに引きずり込まれた後には何が行われるのでしょうか。
口裂け女のように刃物で斬りつけてきたりの明確なアクションがあったり、運良くこちらが気を失った場合はまだマシですが、特に何のアクションもなくそのまま気まずい雰囲気が流れることだけは勘弁して欲しいです。
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怪人赤マント
こちらは今まで出てきた中では最も古く、知名度的にも最も低いのではないでしょうか。
私はこれまたぬ〜べ〜でこの話を読み、幼心に震え上がったものです。

トラウマ回ベスト3に入るかも
噂話
放課後、通学路を帰る子供たちの前にふらりと現れ、誘拐して暴行し、○害するという。
見てください、このシンプルな悪行を。〇害までが一連の流れに含まれているのが本当に恐ろしいです。
こちらも口裂け女と同じように日本統治下の朝鮮半島でも噂になったり、全国の学校で噂されたりしました。
そして、“怪人”なのでこちらも幽霊や妖怪ではなく人の成れの果てと言ったグループ分けなのでしょう。
面白いと思ったのは口裂け女やトイレの花子さんと違い、赤マントの場合はこちらへ危害を加える為の発動?条件が無いことでしょうか。
口裂け女の場合は「キレイじゃない」の回答の方を選ぶことが斬りつけてくる条件でした。
花子さんの場合は3回ノックの儀式で仮に呼び出してしまったとしても、トイレのドアを開けさえしなければ引きずり込まれることはありません。
もっと言えばノックの儀式自体をやらなければ遭遇すらしないわけです。
また、どちらもそもそもの目的が危害を加えること自体だとは考えにくいです。
ところが赤マントの場合はどうでしょう。
こいつはストレートに悪意そのものです。出会えば無条件に誘拐です。
先の2つのように○○すれば攻撃してくるという条件、危害を加えるまでのステップがありませんし、そもそも危害を加えるために出現していることが受け取れます。
現代で言う通り魔みたいなものでしょう。
この話が広く流布したのは1940年だそうです。大戦中で、社会が大きく混乱していた時代だったことが分かります。
そうした殺伐とした混沌の時代の中で「より攻撃的で残忍」な伝説が生まれたのではないかなと思いました。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
昭和を賑わせたオカルト3選でした。
この記事を書いていて私が感じたのは哀愁でした。
彼らはこの令和の時代の今、一体どこで何をやっているのでしょう?
パンデミックによる社会の混沌に気付いているのでしょうか。
無数の監視カメラの目をかわしながらも街中に潜み、今も子供たちを脅かそうと考えているのでしょうか。
口裂け女や赤マントにもマイナンバーは振られているのでしょうか?
現代に生きる私たちの暮らしは限りなく便利に、そしてシステマティックにもなりました。
ですが「怪異が入り込む余地のあった社会」に精神的な豊かさを感じてしまうのは何故なのでしょう。
昭和という時代は、もしかしたら、彼らに出会える最後の時代だったのかもしれません。