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土地と物件に纏わる怖い話。おすすめホラー書籍「忌み地」

こんばんは。

最近、記事の更新のために今まで以上にオカルト世界にどっぷりと浸かっております。
あくまで趣味の一貫としてやっている事なので苦ではないのですが、これだけ毎日毎日「死」に関係する話ばかり見聞きしていると、心なしか部屋が暗くなってくる気がします・・・。

オカうさ
オカうさ

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さて、今日は最近読んだ中で面白かった怪談書籍「忌み地」をご紹介したいと思います。

私の部屋の明るさと引き換えにどうぞお楽しみ下さい。

書籍「忌み地」とは?

怪談社の糸柳寿昭さん(しやな としあき)と上間月貴さんが怪談を集め、作家の福澤徹三さんがそれを書き起こすというスタイルで書かれた怪談実話集です。

ちなみに怪談社のお2人は狩野英孝が司会を務めるテレビ番組怪談のシーハナ聞かせてよに出演されていることでも有名です。

タイトルの「忌み地」とはそもそも、過去に何かしらの因縁があり呪いや災いがあるとされている土地のことです。
例えば、元・処刑場とかは何処に出しても恥ずかしくない正真正銘の忌み地ですね。

本書ではそういった、全国のいわくつき物件や土地にまつわる話がたくさん収録されています。

おすすめポイント・ここが怖い

恐怖心を掻き立てる現場写真

読んでいて思わずテンションが上がってしまった、1番嬉しかったのは、怪異が起きた現場の写真がいくつも挿入されていたことです。

残念ながら全部の話にではありません。というか、写真が載っている話の方が少ないです。
ですが、現場の写真が一枚でもあると、急に引き込まれてしまいます
百聞は一見にしかず。やっぱり一枚の写真が与える情報量はすごいです。

見れば何の変哲もない住宅街だったり、道だったりするんですよ。まさかこんな場所でそんな事が…と何度も驚かされました。

ワイドショーで近隣住人が犯人を「良い人だったのにあの人がまさか…」とコメントしたりしますが、恐らくこれと似た衝撃なんだろうと思いました。

取材過程が見られる

先述のように本書は怪談を蒐集する“取材班”とそれを書き起こす“作家班”に分かれて担当されています。
それに合わせてか、一般的な怪談本では体験者の身に起こったことだけが描かれているのに対し、本書はその体験者に取材しているプロセスから描かれています

もちろん「プロセスなんてどうでも良い」という方もいらっしゃるでしょうが、その話が聞けるまでの裏側が見られるのは単純に興味深かったです。
また、業界全体で見た時にも、新しい可能性を探る取り組みであるように感じられました。

土地にまつわる怪談が面白い

取材班の糸柳さんは怪異が起きた現場に、実際に足を運ぶのだそうです。
その理由について「現場にいったら、なんでか知らんけど、ほかの話も聞けるねん」とおっしゃっていました。

私自身、他人に不思議な体験をしたことがないか聞くことが多いですが、実際に望んでいるような話を聞けることはなかなかありません。
取材班のお二人もそんな「空振り」を、もちろん私以上に何度も体験されているはずです。
にも関わらず、なぜか特定の現場周辺ではホイホイと色々な話も聞くことが出来るといいます。

これについては糸柳さんも先述のように「なんでか知らんけど」とおっしゃっていますが、私にはやはり、その土地に何かしらの因縁があるとしか思えません

少し離れた他の町では全くそんなことが起こらないのに、何故かこの町ではそんなことばかり起こる・・・作中の「K市」がまさにそんな場所でした。

収録されているのはそんな話ばかりで、まさに「忌み地」のタイトルに期待した通りの内容でした

そういうのって何かワクワクします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した忌み地は、新耳袋とはまた一味違った恐怖が得られる作品ではないかと思います。

絶対に読んでほしい怪談書籍、名著「新耳袋」をご紹介


また、本書を読んでいて凄く驚いたのは、その取材方法です。
例えば、心霊スポット現場付近で散歩している地域住民に聞き込みをする、なんてのはまだ想像の範囲内ではあります。(十分すごいことではありますが)
が、なんと彼らはそれだけにはとどまらず、その地域にある家々をまるで営業マンの如く訪問して回り、話を聞きだすと言うのです。

更には特定のネタがない場合は、適当に公園なんかに行って、暇そうにしている人に話しかけてはネタの蒐集をするという徹底ぶり。
例えば一巻に収録されている「ガード下の幽霊」という話は、路上で合掌していた赤の他人にいきなり話しかけて仕入れた話だといいます。

びっくりではないでしょうか
一体どこの誰がこの世界に、そんな方法で怪談を集める人間がいると考えたでしょう

オカうさ
オカうさ

その強引さのある取材方法から怒鳴られたり、殴られたりすることもあるそうです。

取材班のお2人に敬意を表すと共に、私もそれだけの熱意を持って取り組まなければならないジャンルなのだな、と思ってしまいました。

この作品の評価
おすすめ度
(4.5)

面白い作品ですので、ゴールデンウィークのお供にいかがでしょうか。